間違いやすい英語法:able/capable/canの意味と使い分けを解説

リュケイオン・オンラインの講師がable/capable/canの意味と使い分けを解説しています!

able/capable/canの使い分け

目次:

1.基本的なableの使い方

     1.1 "able"の基本的な意味と用法

      1.2 過去形で使った場合の意味

2.capableとableの違い

      2.1 capableの基本的な意味

      2.2 使い方の違い(of ~ingとto不定詞)

      2.3 使い分け

            2.3.1 どちらも使える場合

            2.3.2 実行可能性の差による使い分け

            2.3.3 無生物にはcan,capable

            2.3.4 capable ofは特性などの抽象概念を目的語に取れる

3.canとable toの違い

      3.1. canの基本的な意味と用法

      3.2. canとable toの使い分け

            3.2.1 どちらも使える場合

            3.2.2 文法による制約でcanが使えない場合

            3.2.3 無生物にはcan,capable

            3.2.4 知覚・心理作用にはcan

            3.2.5 couldとwas/were able to

            3.2.6 法律やルールが理由の時はcan

4.おまけ

      4.1 able,capableの派生語

      4.2 その他の類義表現

      4.3 使役動詞とable to

5.まとめ

 

1. 基本的なableの使い方

1.1 "able"の基本的な意味と用法

"able"は「〜できる」「〜する能力がある」という意味の形容詞です。常にbe動詞とセットで使い、その後ろにto不定詞を続けて表現します。

基本形: be able to + 動詞の原形

例:

  • ✅I am able to speak English. (私は英語を話すことができます。)
  • ✅She is able to play the piano beautifully. (彼女はピアノを美しく弾くことができます。)
  • ✅They were able to finish the project on time. (彼らはプロジェクトを期限内に終えることができました。)
  • ❌ I able to swim. (be動詞が必要です)
  • ❌ He is able swimming. (to不定詞が必要です)

さらに、"able"は名詞を直接修飾することもできます。ただし、この場合は"be able to"のようにto不定詞は用いられません。

例:

  • ✅He is an able leader. (彼は有能なリーダーです。)
  • ✅She is an able student. (彼女は優秀な生徒です。)

この用法では、"able"は「有能な」「優秀な」といった意味になり、「~できる」という意味合いは薄れます。

修飾できる名詞は限定的で、主に人を表す名詞に使われます。

物に対して使う場合は、**「使用可能な」「役に立つ」**といった意味になります。

例:✅This is the only able vehicle we have. (これが私たちが使える唯一の車両です。)

1.2 過去形で使った場合の意味

過去形 "was/were able to" は、過去の特定の状況で何かをすることができたことを表します。特に、困難を乗り越えて何かを成し遂げたというニュアンスが強くなります。

例:

  • ✅Despite the heavy traffic, I was able to arrive     at the meeting on time. (交通渋滞にもかかわらず、私は会議に間に合うことができました。)
  • ✅Although she was nervous, she was able to give     a great presentation. (彼女は緊張していましたが、素晴らしいプレゼンテーションをすることができました。)
  • ❌I was able swim yesterday. (to不定詞が必要です)

このように、"able"は「〜できる」という意味を持つ形容詞で、常にbe動詞とto不定詞を伴って使われます。過去形"was/were able to"は、過去の特定の状況で何かを成し遂げたことを表し、困難を乗り越えたニュアンスが含まれることを覚えておきましょう。

 

2. capableとableの違い

2.1 capableの基本的な意味

"capable"も"able"と同様に「〜できる」「〜する能力がある」という意味を持つ形容詞です。しかし、"able"とは微妙なニュアンスの違いがあります。"capable"は、現状の能力や可能性に加えて、潜在能力や適性をも表すことができます。

基本形: be capable of + ~ing

例:

  • ✅He is capable of running a marathon.(彼はマラソンを走る能力がある。)
  • ✅She is capable of learning new languages quickly.(彼女は新しい言語を早く学ぶ能力がある。)

2.2 使い方の違い(of ~ingとto不定詞)

"capable"は、"of + ~ing"の形で用いられるのが一般的です。一方、"able"は"to不定詞"を伴います。

capable: be capable of + ~ing

able: be able to+ 動詞の原形

この違いをしっかりと覚えておきましょう。

2.3 使い分け

2.3.1 どちらも使える場合

一般的な能力や可能性を表す場合は、"able"と"capable"はほぼ同じ意味で使うことができます。

例 :

  • ✅He is able to / is capable of solving complex problems. (彼は複雑な問題を解決する能力がある。)
  • ✅She is able to / is capable of speaking three languages. (彼女は3ヶ国語を話すことができる。)

2.3.2 実行可能性の差による使い分け

"able"は専ら、実際に実行することを想定している場合に用いるのに対し、"capable"は実際に実行することを想定していない場合にも用いることが出来ます

例:

  • ❓He is able to destroy the whole world. (彼は世界を破壊することが出来る)→実際にやりかねない
  • ✅He is capable of destroying the whole world.(彼は世界を破壊するほどの能力を持っている)→ やろうと思えばできるがやらない

2.3.3 無生物主語にはcan,capable

通例、無生物を主語にする場合は、"can","capable"を使います。→3.2.3

2.3.4 capable ofは特性などの抽象概念を目的語に取れる

"capable of"は、特定の行動だけでなく、性格や性質、感情など、抽象的な概念を目的語に取ることもできます。

例:

  • ✅He is capable of great kindness.(彼はとても親切になることができる。)
  • ✅She is capable of intense concentration.(彼女は非常に集中することができます。)

3. canとable toの違い

3.1 canの基本的な意味と用法

"can"は助動詞で、「〜できる」「〜してもよい」という意味を持ちます。"be able to"と同様に能力や可能性を表すことができますが、より informal な表現です。

基本形: can + 動詞の原形

例:

  • ✅I can speak English. (私は英語を話すことができます。)
  • ✅You can go now. (あなたはもう行ってもいいですよ。)

"can"は助動詞なので、主語が変わっても形は変わりません。また、疑問文や否定文を作る際にも、do/does/didなどの助動詞は必要ありません

疑問文:

  • ✅Can you swim? (あなたは泳げますか?)

否定文:

  • ✅I cannot (can't) swim. (私は泳げません。)

3.2 canとable toの使い分け

3.2.1 どちらも使える場合

現在形の一般的な能力を表す場合は、"can"と"be able to"はほぼ同じ意味で使うことができます。

例:

  • ✅I can / am able to play the guitar. (私はギターを弾くことができます。)
  • ✅She can / is able to drive a car. (彼女は車を運転することができます。)

ただし、"can"の方がより自然で会話でよく使われます。

3.2.2 文法による制約でcanが使えない場合

"can"は助動詞なので、他の助動詞の後に使うことが出来ません。これらの場合は、"be able to"を使います。

  • ✅I will be able to speak English fluently someday. (私はいつか英語を流暢に話せるようになるでしょう。)
  • ❌ I will can speak English fluently someday.
  • ✅I have been able to improve my English skills.     (私は英語力を向上させることができました。)
  • ❌ I have can improved my English skills.

3.2.3 無生物主語にはcan,capable

"be able to"は、通例、無生物を主語にして「〜できる」という意味では使いません。この場合は、"can"や"be capable of"を使います。

例:

  • ✅This software is capable of handling large amounts of data. (このソフトウェアは大量のデータを処理することができます。)
  • ✅This software can handle large amounts of data. (このソフトウェアは大量のデータを処理することができます。)
  • 🔺 This software is able to handle large amounts of data. (このソフトウェアは大量のデータを処理することができます。)

3.2.4 知覚・心理作用にはcan

see, hear, feel, understand, rememberなどの知覚動詞や心理作用を表す動詞と一緒に使う場合は、"can"を使うのが一般的です。

例:

  • ✅I can see the ocean from my window. (窓から海が見えます。)
  • ✅Can you hear that noise? (あの音が聞こえますか?)

3.2.5 couldとwas/were able to

過去形の"could"と"was/were able to"は、どちらも「〜できた」という意味を表しますが、実際に実行したかどうかの違いがあります。

could: 過去の一般的な能力や習慣を表す。実際に実行したかどうかは不明。

例:

  • ✅I could swim when I was a child. (子供の頃は泳げました。)
  • ✅We could see the mountains from our hotel  room. (ホテルの部屋から山々が見えました。)

was/were able to: 過去の特定の状況で実際に何かをすることができたことを表す:

     

例:

  • ✅The fire spread quickly, but everyone was able to escape.     (火はすぐに広がりましたが、全員逃げることができました。)
  • ❌ The fire spread quickly, but  everyone could escape.

3.2.6 法律やルールが理由の時はcan

法律やルール、規則などが理由で「〜できる」「〜してもよい」といった場合、"be able to"よりも"can"を使うのが一般的です。これは許可を表す"can"の用法です。

例:

  • ✅You can't smoke in designated areas. (指定されたエリアでは喫煙できます。)
  • 🔺You aren't able to smoke in designated areas. (指定されたエリアでは喫煙できます。)

4. おまけ

4.1 able, capableの派生語

"able"と"capable"には、それぞれ派生語が存在し、より幅広い表現を可能にします。

ableの派生語:

  • ability (名詞): 能力、才能
    • 例:She has the ability to speak four languages.      (彼女は4ヶ国語を話す能力がある。)
  •  
  • unable (形容詞): 〜できない
    • 例:I am unable to attend the meeting tomorrow. (私は明日の会議に出席できません。)
  •  
  • disabled (形容詞): 身体障害のある
    • 例:The building has facilities for disabled people.      (その建物には障害者用の設備がある。)
  •  
  • enable (動詞): 〜できるようにする、可能にするt
    • 例:This software enables you to edit videos easily. (このソフトウェアを使えば簡単に動画を編集できます。)

capableの派生語:

  • capability (名詞): 能力、可能性
    • 例:The company has the capability to produce high-quality products. (その会社は高品質な製品を生産する能力がある。)
  •  
  • incapable (形容詞): 〜できない、〜する能力がない
    • 例:He is incapable of telling a lie. (彼は嘘をつくことができない。)

4.2 その他の類義表現

"able"、"capable"、"can"以外にも、「〜できる」という意味を持つ類義表現はいくつか存在します。それぞれのニュアンスの違いを理解して使い分けましょう。

  • manage to (動詞): 何とか〜する、〜し遂げる (困難を伴うニュアンス)
    • 例:I managed to finish the project on time      despite the difficulties. (困難にもかかわらず、私はなんとかプロジェクトを期限内に終えることができました。)
  •  
  • succeed in (動詞): 〜に成功する
    • 例:She succeeded in getting a promotion. (彼女は昇進に成功しました。)
  •  
  • be competent to (形容詞): 〜する能力がある (専門的な能力や資格を有するニュアンス)
    • 例:He is competent to perform the surgery. (彼はその手術を行う能力がある。)
  •  
  • be qualified to (形容詞): 〜する資格がある
    • 例:She is qualified to teach English. (彼女は英語を教える資格がある。)

 4.3 makeとable to

make + O + 形容詞 の形があるので、この形容詞のところにable toが来てもよさそうですが、実はNGです。

make + O + 原形不定詞の形もあありますが、 これも be able toは不可です。

「できるようにする」という場合は "enable 人 to"か"make it possible for 人 to do"の形を使います。

例:

✅ The software enabled me to work home. (このソフトウェアによって家で仕事ができるようになった。)
✅ My boss made it possible for me to attend the conference. (上司のおかげで会議に出席することができました。)

❌ My boss made me able to attend the conference.
❌ My boss made me be able to attend the conference.

なお、enableは資源や機能を付与することで「可能にする」という意味なので、

"make it possible"よりも使える幅は限られるため、使い方には注意が必要です。

5. まとめ

今回は、「able」「capable」「can」の使い分けについて解説しました。これらの単語はどれも「〜できる」という意味を持ちますが、微妙なニュアンスや用法の違いがあります。

"able"は、be動詞と共に用いられ、"be able to + 動詞の原形"の形で潜在的な能力やスキルを表します。また、名詞を直接修飾し、「有能な」「優秀な」といった意味になる場合もあります。過去形"was/were able to"は、過去の特定の状況で何かを成し遂げたことを表し、困難を乗り越えたニュアンスが含まれます。

"capable"は、"be capable of + ~ing"の形で用いられ、潜在的な能力や可能性に加えて、将来的な能力や適性も示唆します。無生物を主語にする場合や、性格や性質、感情など抽象的な概念を目的語に取る場合は、"capable"のみが使えます。

"can"は助動詞で、"can + 動詞の原形"の形で能力や可能性を表します。"able"と"capable"よりもinformalな表現で、会話でよく使われます。ただし、未来形や完了形には使えず、無生物を主語にすることもできません。また、知覚動詞や心理作用を表す動詞と一緒に使うのが一般的です。過去形の"could"は過去の一般的な能力や習慣を表し、"was/were able to"は過去の特定の状況で何かをすることができたことを表します。

それぞれの単語の特徴を理解し、適切に使い分けることで、より自然で正確な英語表現が可能になります。これらの単語に加えて、派生語や類義表現も併せて学習することで、さらに表現の幅を広げることができます。

最後に、これらの単語を使いこなすためには、実際に例文に触れ、自分で文章を作ってみる練習が重要です。ぜひ積極的に英語学習に取り組んで、表現力を高めていきましょう。