適度な休暇は学業にもプラス!勉強にプラスになるゴールデンウィークの過ごし方とは

適度な休暇は学業にもプラス!

勉強にプラスになるゴールデンウィークの過ごし方とは

1章 休暇は学業にプラス?マイナス?

 1.1 適度な休暇は勉強にプラス

 適度な休暇は、学業にプラスの影響を与えます。学校生活では、毎日授業や宿題などがあり、どうしてもストレスが溜まってしまいます。長期休暇は、そうしたストレスから解放され、心身ともにリフレッシュする貴重な機会です。

 学生が学業から離れて過ごす時間(例えば週末や長期休暇中)は、学業のストレスや疲労から回復し、その後の学業成績にプラスの影響を与えることが多いという報告があります (Greene & Maggs, 2017)。

 つまり、しっかり休んでリフレッシュすることで、休み明けの勉強にも集中できるようになるということです。

 1.2 休暇が学業にマイナスになる場合も

 一方で、休暇が長すぎたり、生活リズムが崩れてしまったりすると、学業にマイナスの影響を与える可能性があります。

 休日が多すぎると、学生の学業成績に悪影響を及ぼすことがあるという報告(Larabi-Marie-Sainte et al., 2021)があります。また、夏休みの間に低学年の児童のスペリング能力が低下したという研究結果もあります (Allinder et al., 1992)。

 これらの研究結果からわかるように、適度な休暇が勉強にプラスに働く一方で、勉強から完全に離れてしまうと、学力低下につながるリスクもあると言えます。

 休暇中に最低どれくらいの勉強時間が必要かについて明らかにしたような研究は見つかりませんでした。しかし、基本的に休暇中のリフレッシュはプラスなので、これを損なわない程度の知的活動という程度で十分でしょう。

例)移動中に好きな本を読む、興味がある分野のドキュメンタリーを見る、平日にやっている「朝活」を休日も続ける

2章 勉強にプラスの影響を与える休暇の過ごし方

 余暇にどんな活動をすると、学業にプラスになるかという知見も存在します。ここでは、ゴールデンウィークにおすすめの休暇の過ごし方をいくつかご紹介します。

 2.1 身体を動かす活動

  2.1.1 スポーツや運動
  • 家族でスポーツを楽しむ: バドミントンやキャッチボールなど、手軽にできるスポーツを親子で一緒に楽しんでみましょう。
  • スポーツ教室に通う: 水泳やサッカー、ダンスなど、お子さんが興味のあるスポーツ教室に通わせてみるのもおすすめです。
  • 公園で遊ぶ: 鬼ごっこや縄跳びなど、公園で思い切り体を動かして遊ぶのも良いでしょう。

  幼児期から余暇に身体活動を積極的に行っている子どもは、言語能力や数学能力が高いという研究結果があります (Gonzalez-Sicilia et al., 2019)。また、Aaltonen ら (2016) は、学業成績が高い子どもほど、余暇に身体活動を積極的に行う傾向があると報告しています。これらの研究結果からわかるように、運動は学力向上にも良い影響を与えることが期待できます

  2.1.2 アウトドア活動
  • ハイキングや登山: 自然の中で体を動かすことで、リフレッシュ効果が期待できます。
  • キャンプ: テントを張ったり、火を起こしたりと、普段できない体験をすることで、子どもの成長につながります。
  • 釣りや潮干狩り: 自然の中で遊ぶことで、子どもの好奇心を刺激することができます。

  自然の中で過ごすことは、ストレス解消やリラックス効果があることが、多くの研究で示されています (例: Ulrich et al., 1991)。

 2.2 知的好奇心を刺激する活動

  2.2.1 読書
  • 図書館に行く: 図書館には、さまざまなジャンルの本が揃っているので、お子さんの興味に合った本が見つかるはず。
  • 親子で読書を楽しむ: お子さんと一緒に同じ本を読んで、感想を話し合ってみるのもおすすめです。
  • 読書感想文を書く: 読書感想文を書くことで、本の内容をより深く理解することができます。

  読書は、語彙力や読解力を高めるだけでなく、想像力や創造力を養うことにもつながります。

  2.2.2 博物館や美術館
  • 歴史や科学に興味がある子: 歴史博物館や科学館
  • 芸術に興味がある子: 美術館や博物館
  • 生き物に興味がある子: 水族館や動物園

  博物館や美術館に行くことで、教科書では学べない知識や体験を得ることができます。

  2.2.3 旅行
  • 歴史的な場所: お城や神社仏閣など、歴史的な場所を訪れることで、歴史への興味関心を高めることができます。
  • 科学的な場所: 科学館やプラネタリウムなど、科学的な場所を訪れることで、科学への興味関心を高めることができます。
  • 自然豊かな場所: 山や海、川など、自然豊かな場所を訪れることで、自然への興味関心を高めることができます。

  旅行は、見聞を広め、さまざまな文化や価値観に触れる良い機会です。

3章 休暇中でもできる少量の勉強

 休暇中のリフレッシュは基本的に学業にはプラスなので、短いゴールデンウィークの間はこれを損なわない程度の知的活動という程度でも十分ですが、短時間で少ない負担でできる勉強を取り入れることができれば、さらに効果的です。

 3.1 復習中心の勉強

  短時間でも効果的にできるため、「勉強」をする場合は復習を中心にやることをおススメします。学校の授業で習った内容をもう一度復習することで、知識の定着につながります。授業中に細かくメモしてあれば、板書したノートを「見るだけ」でも授業の内容を思い出すことができるはずです。

 3.2 予習

  予習を軽くでもしておくと、休み明けからの勉強をスムーズに進められるよういなります。短時間でも、やるとやらないとでは大違いです。

  • 教科書を軽く読んでおく
  • 授業で使うプリント類に目を通しておく

4章 大事なのは生活のリズムを崩さないこと

 楽しいゴールデンウィーク。つい夜更かしや朝寝坊をして、生活リズムが乱れがちですよね。でも実は、この生活リズムの乱れが、お子さんの学業に影響を与える可能性があるのです。

 私たちの体は、睡眠や食事など、様々な活動が規則正しく行われることで、体内時計が調整されています。生活リズムが乱れると、体内時計も乱れてしまいます。すると、日中に眠気やだるさを感じたり、夜になってもなかなか寝付けなかったりと、睡眠の質が低下してしまいます。

 睡眠時間が不規則な学生は、規則正しい学生に比べて学業成績が低いという報告もあります(Phillips et al., 2017)。

 また、生活リズムの乱れはストレスの原因にもなり、学業へのモチベーション低下につながる可能性も。中国で行われた10万人規模の研究では、規則正しい睡眠習慣を持つ学生の方が、そうでない学生に比べて学業成績が高いという結果が出ており(Zhang et al., 2023)、睡眠を含めた規則正しい生活リズムの重要性が裏付けられています。

 4.1 生活リズムを整えるためのポイント

 ゴールデンウィーク中も、規則正しい生活を心がけましょう。

  • 起床・就寝時間を一定にする: 休日だからといって、極端に夜更かしや朝寝坊をしないようにしましょう。平日と同じ時間に起きることで、体内時計のリズムを維持できます。
  • 朝起きたら太陽の光を浴びる: 太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされ、体内リズムが整います。朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる習慣をつけましょう。
  • 三食規則正しく食べる: 食事の時間も、できるだけ規則正しくしましょう。食事を抜いたり、逆に食べ過ぎたりすると、体内時計が乱れやすくなります。
  • 適度な運動をする: 運動は、ストレス解消や睡眠の質の向上に効果があります。散歩やストレッチなど、軽い運動を毎日続けることで、生活リズムを整えやすくなります。

 ゴールデンウィーク中は、羽を伸ばしてリフレッシュすることも大切ですが、生活リズムを崩さないように意識することで、お子さんが休み明けの学習をスムーズにスタートできるようにサポートしてあげましょう。

5章 まとめ

 ゴールデンウィークなどの長期休暇は、子どもにとって貴重な時間です。

 しっかり休んでリフレッシュすることも大切ですが、ダラダラと過ごしてしまうと、学力低下につながるリスクもあります。

 今回ご紹介した方法を参考に、お子さんが有意義な休暇を過ごせるようにサポートしてあげてください。