第5次鎖国令の問題(同義文判定) 解答・解説
第5次鎖国令の問題(同義文判定) の問題について、解答や読み方のポイントなどを解説しています。
【問題】
以下の2文の意味は同じか、異なるか
・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
※『「教科書が読めない人」は実はこんなにいる』 新井紀子 東洋経済ONLINE より
【正解】
異なる
【解説】
・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
最初のこの文も「幕府は」が「ポルトガル人を追放し」と「大名には沿岸の警備を命じた」にかかる、1つの主語が複数の述部にかかる重文の構造を持っています。
ここから重なった文を取り出すと
①幕府はポルトガル人を追放した
②幕府は大名に沿岸の警備を命じた
となります。
対して2番目の文
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
も2つの文を結合した重文ですが、こちらは最初と違って2つの述部に対してそれぞれ別の主語がかかっています。
これも同じように重なった文を取り出すと、
①'ポルトガル人は追放された
②'幕府は大名から沿岸の警備を命じられた
となります。
ここで①と①'、②と②'を比較してみます。これが同じ意味だったら「同じ」が正解になります。
まず①と①'
①'を「(幕府に)追放された」と考えると同じと言って良さそうです。少なくとも矛盾はありません。
では、②と②'はどうでしょうか。
②も②'も主語は同じ「幕府は」ですが、
②の述語は「命じた」。②'の述語は「命じられた」です。
「する」と「される」ですから立ち位置は逆転します。主語も逆転していないと同じ意味にはなりません。
よって、①と①'は同じ意味と言えなくはないが、②と②'の意味が違うから、正解は「異なる」。となります。
読み方のヒント
能動文・受動文の読み方のポイントとしては「立ち位置の意識」です。
〇〇が△△を××した。
△△が〇〇に××された。
このような形の文を読むときには必ず、
「する方」と「される方」を意識して読みます。
頭の中で「する」映像、「される」映像を実際に思い浮かべるのが簡単かと思います。
さらに知識として「能動文と受動文では主語が入れ替わる」ということも知識として持っておけば完璧です。
入試でも良く出る「読めばわかる」問題;その出題理由は?
実際の学校の定期試験や入試問題でも、このように知識が無くても解ける問題というのは実は結構あります。
もちろん入試問題ともなればここまで簡単なものも珍しいと思いますが、
わざと受験生の誰もわからないような難しい言葉を使って、「読めばわかる問題」を出してきたりします。
入試をやる側からすると、講義を聞けば正しく理解できるような、
「勉強すればいくらでも伸びる」生徒に入ってきて欲しい
(日本語が理解できないような「伸びしろの小さい」生徒はできればご免こうむりたい)
と思っているからです。
難しい学校になると、受験生皆が勉強しているような知識問題だけでは点差が開きにくく、
そのような問題ばかりではうまく選抜できないという事情もあります。
裏を返せば、どんなに難しい言葉を使った文章にも対応できる読解力を身に着けていれば難関校で勝負できるということです。
ご家庭で簡単にできるトレーニング方法
読み方のヒントにも書きましたが、受動文と能動文の間違いに代表される
「視点の間違い」をよく犯す子は、文章の内容を実際に映像として思い浮かべつというのが効果的です。
ただ、映像を思い浮かべるために読むスピードが遅くなりますから、
スピードを落とさずにできるようになる訓練も必要かと思います。
効果的な教材を以下お勧めします。
読解力アップにお勧めの教材
新国語講座
基礎読解力というものは頭で理解するだけで身につくものではありません。文章を論理的に読む訓練が必要です。
よくある勘違いですが、市販の国語の問題集で長文読解をやみくもにやっても、基礎読解力は身につきません。
基礎読解力が無い方は短文を正確に読めないのですから、長い文章にやみくもに当たっても効果が出ないのは当然です。
この新国語講座では基礎読解力を6つのカテゴリに分けて、それぞれのカテゴリにフォーカスした問題を使って訓練することができます。
この新国語講座は論理的に正確に読むという点にフォーカスが当たっています。
じっくり時間をかけても正確に読めないという生徒さんにお勧めの教材です。
学習塾専用教材となっており、全国のお近くの学習塾で受講可能です。
近くの塾がリストに無い、塾ではなくオンラインで受講したいという方は、
速読解力講座やすららとセットでお得に受講できるメニューもあります。
速読解力講座
試験で成績を残すためには、「正確に読める」だけでは足りません。
試験には制限時間があり、その時間内で「速く正確に」読める必要があります。
学校の授業でも先生の板書や説明のスピードに追い付く必要があります。
せっかく文章を正しく理解する力があっても、スピードが追いつかないのなら「読めない」のと大差ありません。
高校入試も大学入試も近年語数が著しく増加しており、「速く読む」ことも含めて必須のスキルになりつつあります。
「速読解力講座」は認知能力や情報処理スピードにフォーカスが当たっており、
「速く読む能力」を身に着けるためのたくさんの種類のトレーニングを行うことができます。
情報処理が遅い生徒さんや、いつも試験で時間が足りなくなってしまう生徒さんにお勧めです。
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すらら
すららは読解力特化の教材ではありませんが、
実はこのすららの「国語」が基礎読解力の養成に大変効果的な内容と構成になっています。
いきなり長文から始まるような国語教材には基礎読解力を上げるには向いていないというお話をしましたが、
このすららは1文を正確に読むためのスキルを身に着けるところから始まり、
2~3文程度の長さの文、中くらいの文、よくある国語問題集の長文くらいの文、
入試レベルの長文という形で順を追ってステップアップしていく構成になっています。
そして1文の読解や2~3文・中くらいの長さの文の読解のフェーズでは、
この問題でも取り上げた照応解決、係り受け、推論、具体例同定など
基礎読解力6分野のうち5分野を丁寧にカバーしていて、まさに基礎読解力養成に適した内容になっています。
すらら国語でカバーされていないのは基礎読解力6要素のうち「イメージ同定」のみですが、
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この教材を順を追ってやっていけば読解力が上がり、勉強全体が進めやすくなるという確信があるからです。
すららの国語は
・トレーニングだけでなく、説明もじっくり聞きたいという生徒さん
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